【SPYD,HDV,VYM】米国高配当ETFのどれに投資すべきか?

株式投資

 

本日は米国の高配当ETFとして非常に人気のあるSPYD,HDV,VYMの特徴について解説していきます。
まず、本記事を執筆時点である2021年12月21日のそれぞれの基本情報は以下の通りになります。

SPYD HDV VYM
運営会社 ステート・ストリート ブラックロック バンガード
設定日 2015年 2011年 2006年
経費率 0.07% 0.08% 0.06%
分配金利回り 3.80% 3.56% 2.86%
年初来リターン
(配当再投資した場合)
27.31% 16.66% 21.69%
指数 S&P 500 High Dividend Index モーニングスター
配当フォーカス指数
FTSE High Dividend Yield Index
銘柄数 80銘柄 75銘柄 約400銘柄
上記セクター 金融・公共事業 生活必需品・エネルギー 金融・ヘルスケア

 

SPYDの魅力と特徴

SPYDの一番の特徴は非常に高い配当利回りです。

先ほどの表にもある通り、その分配金利回りは2021年12月時点で3.80%です。
時期によっては5%を超えることもあるのでかなり高配当なETFであるといえます。

ちなみに分配金利回りとはETFからもらえる年間分配金を株価で割ったものになります。
計算式で表すと以下の通りです。

分配金利回り計算式
分配金回り=ETF年間分配金÷株価

SPYDはアメリカの代表500社を示す指数であるS&P500のうち、分配金利回り上位80社に均等に投資しています。
構成銘柄は成熟産業であり分配金利回りが高い、金融や公共事業を営む企業にが多いです。

そのため、SPYDは分配金回りは高いが株価上昇をあまり見込めないETFであるといえます。
以下の図はS&P500に連動するVOOとSPYDの過去3年のチャート比較ですが、SPYDのリターンの低さがよくわかりますね(配当再投資しない場合)。

 

HDVの魅力と特徴

次に今回紹介する中で2番目に高配当であるHDVの魅力と特徴について解説します。

HDVの2021年12月時点の分配金利回りは3.56%となっています。
この数値だけ見ると先ほどのSPYDとさほど大差はないですが、SPYDの分配金利回りが小さくなっているためです(といってもHDVも高配当に変わりはないですが)。

HDVの構成銘柄は75社とSPYDよりも少ないですが、分散度合いについてはHDVの方が優れています。なぜなら、以下の構成銘柄上位10社を見てもわかるように様々なセクターの企業で構成されているためです。

  • エクソンモービル(エネルギー)
  • ジョンソン・エンド・ジョンソン(ヘルスケア)
  • ベライゾンコミュニケーションズ(通信)
  • ファイザー(ヘルスケア)
  • シェブロン(エネルギー)
  • アッヴィ(ヘルスケア)
  • P&G(生活必需品)
  • フィリップモリス(生活必需品)
  • メルクアンドカンパニー(ヘルスケア)
  • コカ・コーラ(生活必需品)

セクター比率でみると以下の通りです。

出典:Black Lock

上記のセクター比率を見てもわかるように株価上昇の恩恵を受けやすい情報技術セクターが10%程度しか入っていないので、SPYD同様に株価の値上がり益は狙いにくいETFであると言えます。

 

VYMの魅力と特徴

最後は代表的な米国高配当ETFの中で一番バランスが取れているといっても過言ではないVYMについてです。

VYMの分配金利回りは2.86%となっています。
分配金利回りのみを見るとSPYDやHDVと比較して見劣りしますが、分配金を再投資した場合の年初来リターンは21%を超えHDVの年初来リターンに勝っていることがわかります。

VYMの一番の魅力は分散度合いが一番大きいことです。
構成銘柄数は400銘柄を超え、さらに様々なセクターに分散されているので高配当を狙いつつリスク分散もしたいという方の選択肢に入ってくるかと思います。
ちなみにVYMの2021年12月時点の組入れ上位10銘柄は以下の通りです。

  • JPモルガンチェース(金融)
  • ホームデポ(一般消費財)
  • ジョンソン・エンド・ジョンソン(ヘルスケア)
  • P&G(ヘルスケア)
  • バンクオブアメリカ(金融)
  • ファイザー(ヘルスケア)
  • エクソンモービル(エネルギー)
  • シスコシステムズ(情報技術)
  • コムキャスト(通信)
  • ブロードコム(半導体)

なお、セクター比率でみると金融が約22%、一般消費材とヘルスケアがそれぞれ約12%で構成されており、残りのセクターは約8%ずつ組み入れられています。

少し金融セクターへの偏りがあることは否めませんが、十分分散が取れたETFであることは間違いまりません。

まとめ

以上をまとめるとSPYDとHDVは非常に高配当が魅力的ではありますが、分散やトータルリターンの観点からみると物足りなさがあります。

一方、VYMは分配金利回りは小さいですが、幅広い銘柄及びセクターに分散されており長期保有するにはかなり安心できます。

もし高配当ETFに興味がある方はこれらのことを総合的に見て投資してください。