2022年はFRBの金融引き締めが本格的に始まることが確実視され、年初からS&P500やNASDAQなどの指数はどれも大幅に下落しています。
この状況下でこれまで積み上げてきた資産の含み益がゼロになってしまった方や、はたまた大幅な含み損まで抱えるようになった方もいるのではないでしょうか?
本記事ではこのような厳しい下落相場を個人投資家はどのようにして乗り越えたらよいのかについて解説します。
2022年は厳しい投資環境が想定される
冒頭にも記載している通り、2022年はここ数年間と比較してかなり厳しい投資環境が想定されます。特に2020年のコロナショック以来、FRBは市場にお金を大量に投入する金融緩和政策を推進していたたため、とりわけ業績がともなっていないハイパーグロース銘柄でも株価は上昇する金融相場でした。
しかし、2022年はFRBはこれまでの姿勢を君子豹変させ市場からお金の量を減らす金融引き締め策に転じることになります。そうなるとハイパーグロース銘柄や高PER銘柄は売られやすくなり株価は下落局面に向かうことになります。
FRBの金融引き締め策により高PER株が売られやすくなる理由については以下の記事をご参考ください。
実際、2022年の年初来のS&P500・NASDAQ指数を見ると下落傾向が強いがわかります。
このように指数全体が下がる相場では近年謳われていた、つみたてNISAやiDeCoを活用して米国の代表的な指数に投資しておけば間違いない、という認識だけでは自分の投資方針に自信が持てず狼狽売りに走ってしまうこともあると思います。
そこで、2022年に著者はどのように投資していくのかについて以下で解説していきます。
2022年の投資方針
それでは2022年の投資方針を解説していきますが、あくまで著者の見解ですので最終的にはご自身の置かれている投資環境しっかりと分析したうえで投資するようにしてください。
大きく以下の3つの投資方針で2022年は挑もうと思っています。
- ハイパーグロース銘柄は売り
- 大型優良グロース銘柄は買い場
- 短期でエネルギー株も買い
ハイパーグロース銘柄は売り
金融引き締めで一番ダメージを受けるのがハイパーグロース系の銘柄です。これまでの金融相場では足元の売上高や純利益が伴ってなくとも、将来性を見込んで株価は堅調に推移していた銘柄も多いですが、2022年は大幅な下落局面に見合われ当分は株価は元の水準まで戻らないと予測されます。
なぜなら金融引き締めは米国の高インフレが継続する限りは今後も継続すると予測されており、2023年以降も金融引き締め政策は継続される見込みが高いためです。そうなるとハイパーグロース銘柄は今後2年以上は株価低迷が続き、最悪の場合は塩漬け株になる可能性も十分考えられます。
これを避けるためにも早い段階でハイパーグロース系の銘柄は売るべきだと考えています。
大型優良グロース銘柄は買い場
先ほど2022年以降は業績が伴っていなくても将来性を期待して株価が上がる金融相場から足元の業績を重視する業績相場に移行すると記載しましたが、このような状況ではGAFAMと言った大型優良グロース銘柄は長期的に見れば割安価格で買える買い場ではないかと考えています。
現時点ですでに四半期決算を発表しているアップルやマイクロソフトは市場予想を上回る好決算を発表しました。その結果、株価は反発して買いが優勢になる場面がみられました。
2022年以降は相場全体の環境が悪いため個別で見ても下落が続く場面が予測されますが、金融引き締めが終了した後に機関投資家を中心に大型優良グロース銘柄に対しては買戻しがされると考えられます。この買戻しによる株価の反発を逃さないためにも2022年は株の仕込み時だと思います。
短期でエネルギー株も買い
金融引き締めにより利上げ局面では割安なバリュー株が選好される傾向があります。特に割安銘柄が多いのがエネルギーセクターなので、このセクターに属している銘柄は2022年は上昇する可能性が大きいです。
実際、直近6か月のエネルギーセクターETF(VDE)の株価を見ると2022年1月以降は大幅に上昇しているのがわかります。
金融引き締めで今後もグロース銘柄からバリュー銘柄への入れ替えは継続すると考えられるので、資金の一部をエネルギー関連の銘柄に投資するのも良いと思います。
しかし、金融引き締めが終了するとエネルギー関連のから大型グロース銘柄に資金が再度流入することになると考えられるので、1年くらいの短期投資を前提に投資することをお勧めします。
下落相場での大原則
ここまで個別銘柄投資を前提に話を進めてきましたが、大原則としてインデックスのつみたて投資は継続することをおすすめします。特に長期的な視点で投資をしている方にとっては下落相場というのは割安な価格でETFや投資信託を購入できることになるので積極的に買い増しを行っても良いと思います。
下落局面が来たからと言ってこれまでつみたてたETFや投資信託を売却してしまうのだけは避けたいところです。
もし、インデックス投資に自信がなくなってしまったという方や以下の書籍を読んでいかにインデックス投資が優れているのかを改めて知ることをおすすめします。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
何度も言って述べているように2022年は厳しい投資環境が予測されますが、市場から退場しないことが何より大切になります。
自分のリスク許容度を改めて見直してキャッシュポジションを増やすなど様々な工夫をしてFRBの金融引き締めを一緒に乗り越えましょう。