【書籍】サイコロジー・オブ・マネー~なぜあなたはお金持ちになれないのか?~

サイコロジー・オブ・マネー要約 おすすめのビジネス書

 

“2014年、ある男の死が大きな話題を集めた。長年、清掃員のパートそして働いていた人物だ。
この平凡な男は、800万ドル(約9億円)もの資産を残した。
なぜ彼は、これだけの富を築けたのか?”

本書はこのような非現実的な話からスタートする。

しかし、この話はまぎれもない事実であり、必ずしも収入が良いと言えない男性でもなぜ莫大な資産を築くことができたのかを教えてくれる。

最近は多くのFIRE本やセミリタイア関連の本が出版されているが、本書では経済的自由をつかみ取るために本当に重要なエッセンスを20個に絞って記載されている。

これから経済的自由を達成して自分の人生を生きたいと考えてる人にとっては学びの多い本となっているので是非手に取ってみてください。

 

サイコロジー・オブ・マネーの内容

まずは本書の内容について簡単にご紹介します。

導入部分で冒頭に記載した清掃員をしながら総資産約9億円を築いた男性とIT企業を興し莫大なお金を手に入れたにも関わらず最終的には無一文になってしまった男性の対比から始まります。そして両者にはどのような違いがあるのかを以下の20の章で詳細に解説をしています。

本記事ではこれらの20章については詳細に解説するのではなく、重要なエッセンスを3つに絞り解説していきます。

本書の構成
  • 第1章:おかしな人は誰もいない
  • 第2章:運とリスク
  • 第3章:決して満足できない人たち
  • 第4章:複利の魔法
  • 第5章:裕福になること、裕福であり続けること
  • 第6章:テールイベントの絶大な力
  • 第7章:自由
  • 第8章:高級車に乗る人のパラドックス
  • 第9章:本当の富は見えない
  • 第10章:貯金の価値
  • 第11章:合理的>数理的
  • 第12章:サプライズ!
  • 第13章:誤りの余地
  • 第14章:あなたは変わる
  • 第15章:この世に無料のものはない
  • 第16章:市場のゲーム
  • 第17章:悲観主義の誘惑
  • 第18章:何でも信じてしまうとき
  • 第19章:お金の心理
  • 第20章:告白

経済的自由を達成するための重要なエッセンス

サイコロジー・オブ・マネーでは投資に関わることだけではなく、お金に対する向き合い方等の生きていくうえで大切な考え方を教えてくれます。

20章に絞りわかりやすく記載されていますが、ここからはさらに要点を3つに絞って個人的に重要なエッセンスだと感じたことについて記載していきます。

裕福になることよりも裕福であり続けることが重要

本書では”利益を得ること”と”利益を維持すること”は全くの別物であると主張されています。

具体的な例として起業して大金を手にしても数年で無一文になってしまう男性と、投資で得た利益を長期間運用してさらに利益を拡大していく男性の例が挙げられています。

では、なぜ大金を手にしても最終的は無一文になってしまうのか?

その理由は、人はお金を手に入れるとそれに伴い生活水準を上げ、さらに良い生活をしたいと考えるようになり常に目標(ゴールポスト)を上げてしまうためです。その結果、いつまでたっても生活に満足できない状態になり最終的には自分の資産以上のお金を使い込んでお金に苦しむことになるのです。

このような状態にならないためには動き続ける目標(ゴールポスト)を止める必要があります。特にFIRE(セミリタイア)を目指す人にとっては重要な考えになるので一旦立ち止まって自分に本当に必要な生活水準がいくらなのか試算してみることをお勧めします。

また、利益を維持するには投資は必須で、さらに市場から退場しないことが必要不可欠になります。

市場から退場しないためには自分が短期の投資家なのか長期の投資家なのかを明確にしたうえで謙虚さと心配性を持った投資をすることが必要になります。ハイリスクな投資で一時的に大金を得たとしてもそれが継続する保証はありません。

 

複利の効果を最大限活用する

世界一の投資家ウォーレン・バフェットの資産のほとんどは60歳以降に増えたものです。これはバフェットが複利の力を最大限に活用している証拠であると言えます。

複利については以下の説明がわかりやすく解説されていましたので参考にしてみてください。

複利とは利息の計算方法のひとつで、一定期間ごとに利息を元本に組み入れ、その元本に対して利息が計算される方法です。利息の再投資のリターンを考慮に入れた方法で、元本に利息が加えられる期間によって、1カ月複利、半年複利、1年複利などがあります。
複利に対し、当初の元本に対してのみ、利息が計算される方法を単利といいます。単利と複利を比べると、複利は利息が利息を生むので、最終的な利息総額が多くなり、長く運用するほどその効果は大きくなります。これを複利効果といいます。出所:SMBC日興証券

上記の解説からわかるように複利の効果を最大限活用するにはある一定のリターンを保ちつつ、市場に居続けることが重要になります。その点、バフェットは若いころに投資をはじめ経済基盤を作り長期間投資し続けたことが彼が一目を置かれる投資家である所以の一つです。

しかし、数十年にわたり長期間投資し続けるのは案外難しいものです。数年に一度は必ず暴落を経験することもあるでしょう。

そんなときは「未来に楽観的であれ」という事が大切になると本書では述べられています。

特に米国株市場は以下の表の通り長期で見れば右肩上がりしていくと考えられます。個人投資家は”時間”という強みを活かして投資を継続していきたいですね。

 

収入ーエゴ=貯蓄

経済的自由を達成したいならまず捨てるべきはエゴです。

エゴとは例えば見栄のために購入するブランド品や高級車などのことを指しています。

なぜエゴを捨てる必要があるのかというと、経済的自由を達成するうえで最も重要な指標が貯蓄率だからです。貯蓄率というのは毎月の収入のうち貯蓄できた割合を示すもので、この貯蓄率が高ければ高いほど資産形成のスピードは加速し経済的自由を掴むまでの時間は短くなります。

しかし、資産形成期に見栄を気にしたブランド品の購入などをしていると一向に資産拡大を図ることはできません。そういう意味で経済的自由を目指すのであればエゴは捨てるべきです。

実際FIREを達成した人はブランド品から得られる満足感よりも経済的自由から得られる時間の自由に重きを置いている人が多いです。人生のどこに重きを置くかで変わりますが、もし経済的自由を達成して時間や人に縛られない自由な生活をしたいと考えているのであれば、今獲得できる満足感よりも、そのお金を運用して将来得られる経済的自由をイメージしていくことがおすすめです。

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございました。

本日は世界で大ベストセラーになった「サイコロジー・オブ・マネー」の重要なエッセンスを解説しました。

今回記載したこと以外にも勉強になることが多い本ですので、ぜひ興味がある方は実際に読んでみてください。