社会人1年目の頃は周りから”新人”扱いされ何でも聞けるし、多少ミスしても許される環境ですが、2年目になると、この環境が一変して周りからは”プロ”としての対応を求められるようになります。
特にJTCと言われる日系の大手企業だとこの風潮は大きいのではないかと思います。
周りが求める水準と自分の実力がマッチしておらず自分の無力感をひしひしと実感して病んでしまうというケースは往々にしてあると思います。
私もこれに悩み苦しんだ一人の経理マンとして、この状況をどのように打破したのか、そして状況を変えるためにどのようなことに取り組んだのかについてて解説していきます。
同じように経理が辛いと感じている人の参考になれば幸いです。
- 新卒で日系大手事業会社に入社し経理部に配属
- 1年目の終わりから2年目の中盤にかけてうつ病になるも何とか克服
- 現在は30歳までに海外駐在に行けるよう日々精進しています
社会人2年目で経理をやめようと思った話
冒頭でも記載したように私は社会人2年目の5月頃に本気で経理をやめようと思っていました。
実際、転職活動をして辞めるための行動もしていました。
では、なぜせっかく入社することができた大手企業の肩書を手放してまで会社をやめようと思っていたかというと、うつ病になり仕事を含めあらゆることに何もやる気が起きない状態まで追い込まれたためです。
うつ病になったのはおそらく以下の5つが原因だったと思います。
- 直属の先輩に自分がやった仕事のすべてを否定される
- さらには人格までも否定されるようになる
- どんどん自信を失い会社に行っても誰にも相談できず、誰とも喋らない日が続く
- ミスを指摘されるのを恐れ完璧な資料を作るため残業が増加(100H/月オーバー)
- 休日に仕事を持ち込むことが増え趣味や娯楽に費やす時間は無くなり、ただ寝るだけの日々
このように私がうつ病になった原因としては主に職場での人間関係から始まり、そこから自分が無能だと認識し自信を失い固い殻に閉じこもっていきました。
経理をやめようと考えてからやったこと
ここからは辛い現状を変えるためにどのようなことに取り組んだのかについて解説していきます。
正直、この時に取り組んだことが自分の人生に直接的に影響があったかというと必ずしもそうではないですが、間違いなくいい経験になっていると思います。
転職エージェントにキャリア相談
まずやったことは転職エージェントにキャリア相談です。
当時は入社時に持っていた自信は打ち砕かれ自分は経理には向いていないと思ってたので、営業職になれる会社に転職したいと思っていました。
エージェントとのキャリア相談では以下のような質問を通して自己分析を手伝ってもらいました。
- なぜ経理が辛いと思っているのか
- なぜ営業に行きたいと思っているのか
- 約1年間の社会人生活の中で達成感を感じたことはなにか
ちなみに私が使用した転職エージェントは”マイナビAGENT”です。
本来は複数の転職エージェントに相談するのが良いのですが、当時は複数のエージェントを使用するという知識がなく、結果的に大手人材会社で安心できる”マイナビAGENT”を使っていました。
ただ、この選択は間違いではなかったと思っており、私を担当してくれたエージェントの方は親身になって話を聞いてくれたので自己分析がスムーズに進みました。
また、そもそも転職が初めてだったのでコロナ禍での転職事情や第二新卒で異業種に転職する難易度などの様々な質問を投げましたが、わかりやすく回答いただけました。
転職する気がなくてもこれからのキャリアに悩んでいる方は一度エージェントに相談してみるのが良いかと思います。
読書を通して人生プランの設計
うつ病を発症して何もかもやる気を失い趣味も勉強もできていなかった私ですが、唯一読書だけは継続していました。
なにか読書を通じて自分の人生を変える方法を見つけたい、と思っていたのでしょう。
だいたい月に5冊くらいのペースでビジネス書や小説を読んでいたのですが、当時読んだ本の中で私の人生に大きな影響を与えてくれたのが以下の2冊です。
○LIFE SHIFT
有名な本なのでご存じの方も多いと思いますが、人生100年時代を生き抜くための人生設計の考え方を具体的に学ぶことができます。
この本を読んで当時の働き方に疑問を抱くようになり転職活動や副業としてブログを始めるきっかけになりました。
今でもたまに読み返すほど気に入っている本です。
○「やりたいこと」の見つけ方
転職活動を始める前に自己分析をするために買った本です。
上辺だけの自己分析に留まらず人生を通して「自分は何をやりたかったんだっけ?」という問いを考えるきっかけを与えてくれた本です。
また人生に迷うことがあれば見返したいと思います。
本気でFIREを目指した
うつ病になった当時は自分はなにをやってもダメな人間なんだと思い込んでいたので、これからサラリーマン人生を歩んでいく自信がありませんでした。
かと言って、すぐに起業する勇気もないしこの先お先真っ暗だと本気で思っていました(それくらい追い込まれていたのですね)。
そんなときにFIRE(Financial Independence Retire Early)という30代・40代で早期リタイアする人生があることを知りました。
早く社会人としての人生を降りたいと思っていた自分にとっては非常に魅力的な思想だったのです。
そこからは気が狂ったように節約や投資をはじめました。具体的に行ったことは以下の通りです。
- 食費や交際費を切り詰めて生活費を削る
- 毎月給与の7割以上を株式投資にぶち込む
- ボーナスはすべて株式投資にぶち込む
今思うとそんなに切り詰めた生活をして何が楽しいのだろうと思うのですが、当時はFIREするしか選択肢はないと思っていました(笑)。
結局、仕事がうまくいき始めたことをきっかけにFIREしたいという願望は全くなくなったのですが、この期間にやっていた過度な節約のおかげで生活レベルを落とすことができましたし、ある程度の貯金もできたので悪い経験ではなかったです。
それでも経理をやめなかった理由
転職活動をしたりFIREを目指すほど仕事が嫌だったのに、なぜ仕事を辞めなかったのか?
それは以下の2つの理由があります。
- 私のことを人格否定していた先輩が他部署に異動することになった
- 1年間必死に耐えたこともあり業務サイクルがわかってきた
まず一番大きな理由は私のことをうつ病にまで追いやった先輩がたまたま他部署に異動することになったことです。
これについては私が人事部に相談したとかではなく、本当に偶然の異動だったので神様が味方してくれたのかと思いましたね(笑)。
そして二つ目の理由としては1年間一通り業務を経験したことによって経理部の業務サイクルを理解できるようになったことです。
決算や税務申告時に忙しいのは理解できていたので、前もって閑散期に準備に取り組むなどの工夫により繁忙期であってもなるべく残業しないで済むようなりました。
そのお陰で休日に仕事に取り組み趣味に費やす時間が無くなるという事はほとんどなくなりました。
経理に残って正解だったか?
では最後に経理をやめないで後悔はないか?という事についてお話できればと思います。
結論、全く後悔はないです。むしろあの時、辞めないでよかったと思っています。
新卒で経理部に入った人は皆が感じることだと思いますが、最初は知識がゼロからスタートするので周りの会話についていけなかったり、相談を受けても即答できないことが多いため、自分の無力さを実感します。
ただ、ちゃんと経験を積んでいき、ちゃんと勉強していけば必ず周りの力になることができるもの経理です。
このことに気づいてから終業後や休日は簿記やファイナンスの勉強をして知識を蓄えていきました。
その結果、今では部内の会話についていけないという事はほとんどないですし、自分から様々な提案をすることもできるようになったのです。
もし、私と同じようにうつ病寸前まで追い込まれ経理を辞めようか悩んでいるのであれば無理に止めはしません。下手に続けて再起不能になるのが一番怖いですから。
ただ、もし辞めようか悩んでいる理由が仕事ができないからとか、自分には向いていないと思うから、というのであれば私は止めます。
なぜなら、先ほど記載したように経理はちゃんと努力したら多少時間がかかってもできるようになる職種だと思うからです。
もちろん会計や税務は専門知識が求められ難しく退屈だというのはわかります。私もつい最近まで同じように思っていました。
でも、努力して理解できるようになると本当に面白い学問だと今では思えるようになりました。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございました。
この記事の執筆を機に改めて自分のキャリアを振り返ってみましたが、いろんな意味で濃い経験を詰めていると感じました。
今は辛くても数年後に振り返ってみれば笑える話も多いものです。
その辛さを乗り越えた先に輝かしいキャリアを切り開いていけるのだと私は信じています。
もし何かご相談したいことなどあればTwitterのDMからでも構いませんのでお待ちしています。